めんどくさい研究所

2017/9/4 update
MEETING REPORT #4
第4回 研究レポート「仕事のつきあいってめんどくさい」
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2017年8月1日、第4回目となるめんどくさい研究所クラッシュミーティングを東京都内のミーティングスペースにて開催しました。
今回は、7月14日から2週間にかけてテーマ「仕事のつきあいってめんどくさい」をオンラインミーティング上でディスカッション。社内の人間関係が生み出す「つきあい」の難しさについて、それぞれのシーンでの課題を抽出しながら、クラッシュミーティングで回避方法や対策を追求しました。
  • めんどうなつきあいは、社内的な立場の弱さが原因!?
     今回はオンライン上で交わされたテーマリクエストルームの意見のなかから「仕事のつきあいってめんどくさい」という議題を選出し、テーマルームでディスカッション。さらに、クラッシュミーティングでの議論を通じて、その解決法を模索した。
     はじめに、テーマルームで交わされた研究員のコメントでは、「上司の機嫌を取るための職場の飲み会」や「接待ゴルフのような休日返上のつきあい」などがめんどくさいという意見が多数挙がった。
     クラッシュミーティングでは、これらのテーマルームでの意見をさらに掘り下げる形で議論をスタート。そこで聞かれた意見では、「仕事とプライベートをしっかり分けたいのに、上司からしつこく飲み会の誘いがくる」、「忘年会や歓迎会はもちろん、休日を返上した飲み会や接待において、新入社員がすべて仕切りを担当しなければいけない」というように、“若手”という社内的な立場の弱さから生まれる問題が浮き彫りになった。
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  • 「プライベートを犠牲にする上、メリットがない」という意見
     さらに、ある研究員からは「社内イベントに一度参加した際、他の社員と義務的に会話をするだけであまり盛り上がらず、まったくメリットを感じられなかった」というエピソードが。しかも、最初のイベントへの印象の悪さから、それ以降出席を拒否していたところ、「周りの上司たちが次第に不機嫌になり、人間関係が悪化した」ということもあったという。
     また、「上司たちだけが楽しい」だけの状況になるのにもかかわらず、社内での飲み会などのイベントでは通常“割り勘”になることも多い。このようなイベントについて、「参加すると、ふだんの業務では聞きにくい話を聞けたり、新しい情報を得ることができる」というメリットを感じているという声もあった。しかし、研究員の多くは、「プライベートの時間を奪われる上、メリットがまったくない」と感じているようだった。
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  • 自ら意思表示をすることが、ブレイクスルーの鍵
     これらの意見を受け、後半のパートでは「どうすれば仕事のつきあいがめんどくさくなくなるのか」を追求。そこでは「そもそも、上司から何かを言われた瞬間、どうしても気疲れが発生する。それを避けるためにも、社内の人間関係をもっと気軽なものにすべきだ」「仮にイベントに参加する場合でも、若手社員が楽しめるような会を目指すべきだ」という意見が挙がった。
     このような意見を受けて、特別研究員の木暮太一氏は「まずは自ら意思表示をして、環境を変えていくことが重要なのではないか」と指摘。さらに、会社員時代の経験を振り返りながら、「もし、そのイベントへ行きたくないのであれば、ただ出席を断るのではなく、まず『ぜひ、ぜひ!』と口にして、そのあと『でも、当日は他の予定が……』など、“Yes……,But……”の言い方を考える。そうして角が立たないような言い回しを心がけながら、自分の“キャラクター”を作り上げていく。すると、周りも次第にその個性を認めるようになり、社内での立ち回りも楽になっていく」と語った。
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  • メリットを取りに行きながら、状況に寄り添う重要性
     しかし、どうしてもイベントに出席しなければいけない場合は、どうするべきなのか。そのようなケースについて、木暮氏は「誘われたとき、こちらからあえて提案を持ちかける」ことをヒントに挙げた。「『出席するので、食事は豪華なステーキをお願いします!』というように、自分が楽しめたり、メリットを感じることを積極的に口にする。そうすることで、イベントに行く意味を自ら作り出せるようになる」と説明した。
     木暮氏のメリットを取りに行くという提案について、研究員からは「条件をこちらから出すことで、前向きにイベントに参加できるようになる気がする」という同感の声が。なかには、「私はあまり社内で自分の“腹”の部分を見せたくないタイプ。しかし、上司たちは、私が何を考えているか“腹”を知りたがるケースが多い。そのあたりの差を埋めるためにも、あえて積極的な姿勢を見せることで、見せたくない部分を守ることができるかもしれない」という意見も挙がった。
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     最後に木暮氏は、「仕事のつきあいというものは、職場で働くそれぞれの人がみんな良かれと思ってやっていること。問題なのは、それが自分に合っていないから。だとしたら、その一つひとつを見極めて、自分から寄り添っていくことも重要なのではないか」と語った。
     どんなシーンにおいても、受け身状態の人づきあいというものはストレスが生まれてきがちなもの。そのような状況をコントロールしてリスクを減らす意味でも、自ら明確な意思表示を行って、周囲としっかりコミュニケーションをすることが重要なのである。
text : Takuo Shibasaki
2017年9月4日更新